《勇払原野と野鳥のお話》

勇払（ゆうふつ）原野は、北海道苫小牧市に広がる原野です。
広大な原野の中に貴重な湿地や草地があり、その周辺には火力発電所や工場が立ち並んでいます。

勇払原野にある約275haのウトナイ湖は、秋にガン・カモ類やハクチョウ類が飛来し、一部が越冬します。
マガンは渡りの途中に立ち寄り、春には約10万羽を超えることも。

ウトナイ湖の周辺には湿地や林が広がり、ウトナイ湖と合わせてこれまでに約270種の野鳥が確認されています。
ウトナイ湖とその周辺約510haは、1991年、国際的に重要な湿地としてラムサール条約湿地となりました。

ラムサール条約湿地以外の勇払原野は、常に開発の危険にさらされている状況です。
このエリアは、タンチョウやチュウヒ、オオジシギ等、希少鳥類の重要な生息地となっており、保全することが急務となっています。

ウトナイ湖サンクチュアリは1981年に開設され、ウトナイ湖を含む勇払原野の保全活動に取り組んできました。
現在は、勇払原野にある、弁天沼周辺のラムサール条約湿地登録に向け、様々な保全活動に取り組んでいます。


上空から見たウトナイ湖